ニュージーランドワイン見つけ隊

気まぐれエッセイ ワインな毎日

なんとなく、エッセイではなくて、ワインに関する何でも情報コーナーになりつつありますが…。

※サイト開設初期のエッセイですが、こちらも、リニューアル後も、残しておくことにしました。10年以上も前に書いたもの。ちょっと恥ずかしい気もしますが、、、懐かしいです。(照)

4. コルクかスクリューか、それが問題だ!?

ニュージーランドのワイン業界では、スクリューキャップ(手で捻って開けることの出来る蓋)が取り入れられつつあります。今後、世界のワインにおいて主流になるであろうと言われている、スクリューキャップについて、ちょこっと情報を仕入れてきたので、ご紹介してみたいと思います。

オープナーに凝ってみたり、コルクを集めてみたり、「あっ、ワインって、コルクを通して呼吸してるんだなぁ~」って、なんだか神秘的な気分になったり。「ワインを語る時に欠かせないコルクが、すっ、姿を消してしまう~~~?どっ、どうして~~~」と、誰もが思ってしまいますよね。(えっ、もしかして私だけ?)時々失敗して、コルクの一部がワインの中に入ってしまっても、何故か、とっても愛着を感じるコルク。そのコルクの代わりにスクリューキャップが使われる理由を探ってみました。

理由その1:
ワインを一番良い状態に保つことが出来る
ボトルの管理の仕方によって、ワインの質や味が変わってしまうことを防いでくれるので、同年の同じワインからは、同じ味を期待出来ます。例えば、コンテストで賞を取ったワインや、本などでオススメと紹介されていたワインと同じ物を買ってみたけど、手元に届いた時には質が変わっていた…という心配は無くなります。

理由その2:
誰にでも容易に管理出来る
横に寝かせなくてもいいんです。ボトルを立てたままの状態でも、ボトルの中から空気が漏れる心配はありません。また、スクリューキャップなら、酸化してしまう心配も無いので、急激に熟成が進んでしまったり、変色してしまったり、味や香りが消えてしまうことも防いでくれます。

理由その3:
腐敗や悪臭とは無縁
完全に密封されているので、腐敗や悪臭の心配は全く無くなります。俗に言われる「Corked」という、ワインがコルク臭くなってしまう心配も無くなります。

理由その4:
ワインの造り手の意図した味が保たれる
かなり的外れな例えになってしまうかも知れませんが、例えば、クラシックの楽曲をピアノで弾く時、弾き手によって、何百年も前に作曲家が意図したメロディとはほど遠いものになっていることを気付かず、その作曲家の作品として聴いていることがあるかも知れませんよね。ワインにも、数年寝かせるとこういう味が出来上がるはずだという「醸造家の意図した味」があります。でも、コルクを使用したボトルだと、保存の仕方によって、ワインが全く違った味に変化することもあり、私達はそのことに気付かず、それが「醸造家の意図した味」だと思い込んで、飲んでしまっているかも知れません。スクリューキャップなら、そんな心配は無くなります。

理由その5:
長期間寝かせることによる失敗が無い
長い間、楽しみに寝かせておいたワインを開けた時、かび臭くなっていたり、飲めない状態になってしまっていた時ほど、悲しいことはありません。スクリューキャップなら、失敗することなく、大切なワインを安心して熟成させることが出来ます。


疑問その1:
スクリューキャップでも、寝かせることによってワインは熟成するの?
ワインは、ボトルの外にある空気などの力を借りることなく、ワイン自体が持つ成分だけで、熟成したり、味を複雑にしたり、成長することが出来るのだそうです。確かに、酸素も必要なのですが、既にボトルの中やワインに含まれている酸素でも充分熟成は行われますし、なんと、ワインの熟成の過程のほとんどが、酸素を必要としないものなのだそうです。スクリューキャップで密封しても、ワインはワイン自体の力で、より美味しく変身していくんですね。(知らなかったぁ~!)

疑問その2:
ワインを寝かせる期間の目安は変わるの?
コルクの場合とだいたい同じ期間寝かせれば良いそうです。数十年も寝かす場合には、コルクは差し替えが必要だったそうですが、スクリューキャップは、その必要は無さそうですね。(でも、数十年も寝かせるワインは、私には縁が無さそう…)


今までワインに使われてきた伝統的なコルクが姿を消し、今後、新登場したスクリューキャップへと徐々に移行していくことは、必然的なことなのかも知れませんね。


さて、あなたは、ワインから「ワイン自体が持つ最高の味を引き出して、安全に保ってくれるスクリューキャップ」と、長年親しみがあって捨て難い「独特な雰囲気のあるコルク」のどちらを選びますか?

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ニュージーランドワイン見つけ隊
結成:2002年
日本へ一時帰国した際に、ニュージーランドワインが日本のワインショップのオーストラリアの棚で売られていたのを目撃して「こりゃいかん!」と奮起。あれから、もう、にっ、二十年以上!